グリヴィとか?グリブイらしい?ロシア料理とキノコのパイ包み焼きスープの魅力

京都の記憶を彩るロシアの香り
思い出の「グリヴィ」と温かな食卓
京の古都で出会った、異国の食文化と温かな思い出。
その物語は、あるロシア料理との出会いから始まりました。それは、懐かしくも新しい、心温まる一皿「グリヴィ」との再会でした。
記憶の扉を開く「グリヴィ」との再会
京都の街には、多くの魅力が詰まっています。歴史ある寺社仏閣、風情豊かな町並み、そして数々の美味しい京料理。
しかし、私の心の中に特別な場所を占めているのは、少し薄暗い路地裏にひっそりと佇む、一軒の老舗ロシア料理店です。
子どもの頃、母に手を引かれて初めてこのお店を訪れた時の記憶は、今でも鮮明に蘇ってきます。
そこは、まるで絵本の中に出てくる宮殿のようでした。
煌びやかなシャンデリア、深い色の木製家具、そして壁一面に飾られた、色とりどりのマトリョーシカ。それは幼い私の目には、まるで宝物のように映りました。
お店の方が一つをプレゼントしてくださった時の、胸の高鳴りを今でも覚えています。
そして、そのお店でいつも楽しみにしていたのが、キノコのパイ包み焼きスープ、「グリヴィ」です。
大きなつぼに入った、濃厚でクリーミーなマッシュルームスープ。その上には、こんがりと焼き上げられたパイ生地の蓋が乗っています。
このパン生地を崩しながら食べるのが、何よりの楽しみでした。
「グリヴィ」とは?ロシアの食卓を彩るキノコのパイ
「グリヴィ」とは、ロシア語で**「キノコ」を意味します。
この料理は、熱々のキノコのクリーム煮を小さな壺や耐熱皿に入れ、パン生地で蓋をしてオーブンで焼き上げる、ロシアの伝統的な家庭料理です。
日本では「キノコの壺焼き」や「キノコのパイ包み焼きスープ」**とも呼ばれています。
この料理の最大の魅力は、その独特の食感と、素朴でありながら奥深い味わいです。
オーブンで焼かれたパン生地は、サクサク、ふわふわ。香ばしい香りが食欲をそそります。
そして、一口食べると、パン生地の食感と、濃厚なキノコのスープのクリーミーさが絶妙に溶け合います。
ロシアでは、家庭ごとにそれぞれの味があると言われています。お母さんやおばあさんが、家族の健康を願って作る温かい一杯。
日本では高級なレストランでいただくことが多いですが、ロシアでは懐かしい故郷の味として親しまれているのです。
幼少期の記憶と重なる、グリヴィの温かさ
子どもの頃、このお店で食べた「グリヴィ」は、私にとって単なる美味しい料理ではありませんでした。
それは、母と過ごす特別な時間、そして異国の文化に触れるきっかけを与えてくれた、思い出そのものです。
特に印象に残っているのは、パン生地をスープに浸しながら食べる時の、あの幸せな感覚です。
パンにたっぷり染み込んだ濃厚なクリームソースは、私の舌を満足させ、心まで温めてくれました。
この一皿が好きすぎて、いつも同じものばかり頼んでいました。母は「たまには違うものも試してみたら?」と言いましたが、私はこの味が忘れられなかったのです。
食後には、たっぷりのイチゴジャムが添えられた**「ロシアンティー」**を楽しみました。
スプーンでジャムをすくい、少しずつお茶に溶かしながら飲むスタイルは、子どもながらに大人になった気分を味わわせてくれました。
甘酸っぱい香りが、紅茶の風味と溶け合う贅沢なひとときです。
時を超えて繋がる、グリヴィの縁
学生時代、私はロシア人留学生と親友になりました。彼を京都観光に案内した際、迷うことなくこのロシア料理店を選びました。
「この料理、知ってる?」 そう聞くと、彼は懐かしそうな表情で「グリヴィだ!でも、こんなに高級感があるグリヴィは初めて見たよ」と驚いていました。
それまで、彼にとって「グリヴィ」は、お母さんが家で作ってくれる、温かい家庭料理だったのです。
私たちは、懐かしい故郷の味を前に、それぞれの「グリヴィ」の思い出を語り合いました。彼の話を聞きながら、私はこのお店の**「おもてなしの心」**を感じました。
家庭料理である「グリヴィ」を、より洗練された一皿として提供することで、日本の人々にロシアの食文化の奥深さを伝えているのです。
彼の故郷の味との再会、そして日本での再会。美味しい料理は、国境を越え、人の心をつなぐ力を持っているのだと改めて感じました。
私たちは感動のあまり、お土産用にもう一つずつ注文してしまったほどです。
グリヴィの魅力と多様性:アレンジレシピ
キノコの壺焼きスープ「グリヴィ」は、実は様々なアレンジが楽しめる料理です。
【シーフードグリヴィ】
定番のマッシュルームに加えて、エビやホタテ、アサリなどのシーフードを入れると、一気に風味が豊かになります。海の幸から出る旨みがスープに溶け出し、濃厚なクリームソースと絶妙にマッチします。
【和風グリヴィ】
意外な組み合わせですが、隠し味に味噌や醤油を使うと、和風のテイストに変わります。キノコの旨みと和の調味料が、驚くほど相性が良いのです。ご飯にも合う、新しい「グリヴィ」の世界が広がります。
【野菜たっぷりグリヴィ】
ブロッコリーやニンジン、ジャガイモなど、お好みの野菜をたっぷり入れると、栄養満点の一皿になります。お子様にも喜ばれる、優しい味わいです。
本格的なロシア料理を家庭で楽しむ
京都の老舗店で味わう「グリヴィ」は、まさに特別な一皿です。しかし、実はこの料理、ご家庭でも比較的簡単に作ることができます。
「もっとロシア料理について知りたい」「自分でも作ってみたい」という方におすすめしたいのが、『はじめてでも美味しく作れるロシア料理』という本です。
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この本は、初心者でも挑戦しやすいレシピが満載で、レビューでも高評価を得ています。
ボルシチやピロシキなど、定番のロシア料理の作り方が丁寧に解説されていますので、この一冊があれば、あなたの食卓がまるでロシアのレストランのように華やかになることでしょう。
おわりに:グリヴィが紡ぐ、人と街の物語
私にとって、京都の街と「グリヴィ」は、切っても切れない特別な存在です。
この料理は、単なる食の体験を超え、私の人生の大切な一部となっています。 思い出の京都の老舗ロシア料理店で、温かい「グリヴィ」を前に、幼い頃の自分と今の自分が重なる瞬間があります。
それは、懐かしくも、温かい気持ちになるひとときです。このお店は、これからも変わらず、多くの人々に愛され続けるでしょう。
ぜひ、キノコのパイ包み焼きスープ「グリヴィ」を通して、ロシア料理の奥深い世界を味わってみてはいかがでしょうか。
そして、あなたにとっての特別な「グリヴィ」の思い出を作ってください。
外はさっくり、中はとろとろロシアのツボ焼き
by Mina★
材料(4人分)
★薄力粉 / 200g
★ベーキングパウダー / 小さじ1/2
★溶かしバター / 大さじ2
★牛乳 / 大さじ4
*ツボの中身 /
お好きなシチュー*1 / 4人分
とろけるチーズ / 100g
牛乳 / 適宜
レシピを考えた人のコメント
実は、ここで使った「ツボ」は、さる駅弁の釜めしの容器だったものです。別にツボでなくても、耐熱のココット皿みたいなものでももちろんokです。
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