2017年に公開された、『ちょっと今から仕事やめてくる』という、日本映画があります。

原作は、北川　恵海さんのデビュー作となった、同名小説。第21回電撃小説大賞・

メディアワークス文庫賞を受賞し、累計発行部数70万部突破の、ヒット作品です。

監督と脚本を務めたのは、多くの作品を手がけ、2011年公開の映画『八日目の蝉』で

日本アカデミー賞の、最優秀監督賞を受賞した、成島　出さんです。

この物語は、所謂、ブラック企業と呼ばれる会社に勤めている、サラリーマンの青年

青山　隆と謎の男ヤマモトの交流、働くことと生きることを軸に、描かれています。

青山　隆の就職活動は失敗ばかりで、やっと内定をもらえた、今の会社に入りました。

ところが。出社をすれば朝の体操。かけ声が小さいと、耳元で怒鳴りつける上司。

熱があろうと出勤、有給はいらない、心なんか捨てろ、という10の社訓の読み上げ。

営業成績が全て。クレーム対応。移動費の
自腹。3か月連続で150時間を超える残業。

それでも残業代は出ない。実家から届く食料は忙しさから腐らせ、1年半以上帰省せず、

母親からの電話も、イライラして切ってしまう…。そんな生活の中、青山は考えます。

人は何のために働くのか。生きるためならば、自分は生きていると言えるのかと。

そんなとき。派手なシャツを着て、明るく笑う大阪弁の男、ヤマモトと出会います。

小学生の頃の同級生だと、嬉しそうに名乗るヤマモトを、覚えていない青山。

友人に連絡をして、小学3年生のときの同級生だとわかり、ヤマモトと仲良くなります。

青山は仕事で大きな失敗をしてしまい、駅の改札で会ったヤマモトに、そのことを

飲食店で話すシーンがあります。そこに登場する料理が、ゴルゴンゾーラのパスタ。

ゴルゴンゾーラは、マーブル模様をした青カビタイプの、イタリアのチーズ。

フランスやイギリスと並ぶ、三大ブルーチーズの1つで、辛味の強いピカンテと、

マイルドなドルチェの2種類に分けられる、ゴルゴンゾーラ。映画の中でヤマモトは

ビールを注文していますが、もちろんワインとの相性も抜群です。

この食事シーンのあとの、ヤマモトと青山が、仕事について話すやり取りが印象的。

お酒を飲む気分じゃなかった青山に、ヤマモトは、食事とともにビールを勧めます。

そして、仕事に縛られている青山に、“何より簡単なのか”、ヤマモトは問いかけます。

仕事をやめるのは簡単なことじゃない、と言うなら、“じゃあ、何より簡単なのか”。

この映画の監督・脚本を務めた、成島　出さんは1961年生まれ。20代からずっと心に

後悔があったそうです。その時にできなかったことと、願望を託したのが、この作品。

ヤマモトのような笑顔と明るさ、込められたメッセージを、働くすべての人と、その

周りの人に見てほしい映画。気分転換に、ゴルゴンゾーラのパスタとビールを添えて。

「ゴルゴンゾーラクリームパスタ」
by hosuke*

材料（2人分）
パスタ / 160g
生クリーム / 200cc
ゴルゴンゾーラ / 大匙5
黒胡椒 / 好み量
パセリ微塵切り / 好み量

レシピを考えた人のコメント
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