タジン鍋は一時期のブームから、今では多くの家庭で棚の奥にしまわれていることが多い調理器具かもしれません。
しかし、その魅力を再発見することで、普段の料理に新しい風味と栄養を取り入れることができます。
今回は、タジン鍋の特性を活かして和食を作る方法についてご紹介します。
タジン鍋の魅力と特徴
モロッコが発祥のタジン鍋は、その独特の円錐形の蓋が特徴です。
この形状により、鍋内部で蒸気が循環し、少量の水分で食材を蒸し煮にすることができます。
この調理法により、食材の旨味や栄養素が失われることなく、風味豊かでヘルシーな料理を作ることができます。
最近、寒さの影響で体を温める食事が求められる中、タジン鍋は再びその存在感を取り戻しています。
野菜をふんだんに使った料理が簡単に作れるため、特に野菜をたっぷり摂りたい方にはおすすめです。
また、タジン鍋で作ると、野菜の味が濃くなり、調理時間も短縮されるため、手軽に美味しい料理が楽しめます。
タジン鍋を和食に応用する
1. おでん
タジン鍋を使っておでんを作ると、通常の鍋よりも素材の旨味が引き立ち、味がよく染み込みます。
鍋の中で蒸気が循環し、食材がふっくらと煮えるため、大根や卵、こんにゃくなどの具材が柔らかく仕上がります。
また、低温でじっくり煮込むことで、栄養価が高く、深い味わいのおでんを作ることができます。
レシピ例: タジン鍋で作るおでん
材料(4人分):
大根:1/2本
ゆで卵:4個
こんにゃく:1枚
厚揚げ:2枚
ちくわ:4本
さつま揚げ:4枚
昆布:1枚(10cm程度)
水:600ml
だしの素:小さじ2
醤油:大さじ3
みりん:大さじ3
酒:大さじ3
塩:小さじ1/2
作り方:
大根を2cm厚に輪切りし、皮をむいて面取りをします。
こんにゃくは一口大に切り、熱湯でさっと茹でます。厚揚げは熱湯をかけて油抜きします。
タジン鍋に水と昆布を入れて中火にかけます。昆布がふやけたらだしの素を加え、昆布を取り出し、醤油、みりん、酒、塩を加えます。
大根、こんにゃく、厚揚げ、ゆで卵、ちくわ、さつま揚げを順番に鍋に入れ、蓋をして弱火で20?30分煮ます。味がしっかりと染み込むまでさらに煮込みます。
2. 煮魚
タジン鍋は魚料理にも最適です。蒸し焼き効果で魚がふっくらと仕上がり、少量の調味料でもしっかりと味が染み込みます。
タジン鍋で作る煮魚は、ふんわりとした食感と素材の持つ甘みや風味が引き立ち、一味違った美味しさが楽しめます。
レシピ例: タジン鍋で作る煮魚
材料(2人分):
魚の切り身(サバ、タラなど):2切れ
生姜:1片(薄切り)
長ネギ:1本(斜め薄切り)
だし汁:200ml
醤油:大さじ2
みりん:大さじ2
砂糖:大さじ1
酒:大さじ2
作り方:
魚の切り身に塩を軽く振り、10分ほど置いて臭みを取ります。その後、表面をキッチンペーパーで拭き取ります。
タジン鍋にだし汁、醤油、みりん、砂糖、酒を入れて中火で加熱し、煮立ってきたら生姜と長ネギを加えます。
魚の切り身を煮汁に入れ、蓋をして弱火で15分ほど煮ます。煮汁をかけながら味を染み込ませます。
タジン鍋は、蒸し焼きや低温調理が得意なため、煮込み料理だけでなく、野菜をたっぷり使った料理や、餃子、ハンバーグなどにも応用が可能です。
素材の味を引き出し、ヘルシーで美味しい料理を簡単に作れるので、忙しい日々の食事準備にもぴったりです。
タジン鍋が家の中で眠っている方は、ぜひ再び取り出して、和食のアレンジに挑戦してみてください。
見た目も美しく、栄養価も高い料理が、きっと食卓を豊かにしてくれるでしょう。