パリ・ブレストの由来は自転車レース?スイーツのこばなし:パリ・ブレストの秘密に迫る

スポーツとスイーツの交差点:パリ・ブレストの形に秘められた1200kmの物語
スポーツの祭典が開催されるとき、私たちの胸を打つのは選手たちの熱量だけではありません。
その興奮を形に残そうとする「食」の文化もまた、後世に語り継がれるべき芸術です。
なかでも世界中から愛されているスイーツ、「パリ・ブレスト」。
このリング状のシュー菓子には、世界最古の自転車レースという過酷な舞台裏から生まれた、情熱的な歴史が息づいています。
今回は、パティシエの技術とスポーツへのオマージュが融合したパリ・ブレストの深遠な世界を、歴史的背景や現代のスポーツイベントとの繋がり、そして自宅での楽しみ方まで含めて詳しく紐解いていきましょう。
1. パリ・ブレストの正体とは?自転車の「タイヤ」を模したリングシューの魅力
パリ・ブレストを一言で表現するなら、それは「自転車のタイヤを祝福するスイーツ」です。
ザクザクとした香ばしいシュー生地を水平に切り分け、その間に濃厚なプラリネクリーム(アーモンドやヘーゼルナッツのペーストを混ぜたクリーム)をたっぷりと絞り出す。
表面にはスライスアーモンドが散らされ、まるで疾走する自転車が巻き上げる砂塵や、美しく輝くホイールを連想させます。
なぜ、これほどまでに具体的なモチーフを持っているのでしょうか。その答えは、19世紀末のフランスに遡ります。
世界最古の過酷なレース「パリ・ブレスト・パリ(PBP)」
パリ・ブレスト誕生のきっかけとなったのは、1891年に始まった自転車レース「パリ・ブレスト・パリ(Paris-Brest-Paris)」です。
これはフランスの首都パリから、港町ブレストまでを往復する、総距離約1,200kmに及ぶ超長距離レース。
現在も4年に一度開催されており、世界中のサイクリストが憧れる聖地のような大会です。
当時の自転車は現代のような高性能なものではなく、道も舗装されていませんでした。
数日間不眠不休で走り続ける選手たちを鼓舞するため、レースのコース沿いにあったパティスリーが考案したのが、この「タイヤ型」のケーキだったのです。
高カロリーで栄養価の高いナッツを多用しているのも、過酷な運動でエネルギーを消費した選手や、彼らを応援する観客への配慮だったと言われています。
2. 考案者は誰?諸説ある誕生秘話と「エクレア型」の謎
パリ・ブレストの生みの親については、歴史の中にいくつかの名前が登場します。
最も有力視されているのは、パリ近郊メゾン=ラフィットのパティシエ、ルイ・デュラン氏です。
1910年、レースの創始者である新聞記者ピエール・ジファールから「大会を象徴するお菓子を作ってほしい」と依頼を受け、現在の形を完成させたという説が一般的です。
しかし、興味深い歴史の断片がもう一つあります。実は、初期のパリ・ブレストは現在のような円形ではなく、「エクレアのような細長い形」をしていたという記録が存在するのです。
これは、当時の選手が片手で持ちながらでも食べやすいように配慮されたものだったと考えられています。
1960年代頃を境に、より「タイヤ」としての象徴性が強い現在のリング状が定着しましたが、利便性から象徴性へと進化を遂げた過程に、フランスの食文化のこだわりを感じずにはいられません。
3. シュー菓子の家系図:パリ・ブレストから広がる多様な世界
パリ・ブレストは「シュー生地(Pate a choux)」を使った代表的なアントルメですが、フランス菓子におけるシューの歴史は非常に奥深く、まるでキャベツ(シュー)の葉のように重なり合っています。
皆さんがスイーツを選ぶ際の楽しみが増えるよう、そのバリエーションを整理してみましょう。
| 菓子名 | 特徴 | 名前の由来・意味 |
|---|---|---|
| シュー・ア・ラ・クレーム | 丸い生地にクリーム。日本のシュークリーム。 | 「クリームを詰めたキャベツ」 |
| エクレア(エクレール) | 細長い形。表面にチョコ。 | 「稲妻(飛ぶように早く食べられる)」 |
| サントノーレ | パイ生地に小さなシューを並べた豪華なケーキ。 | 「菓子の守護聖人サントノーレ」 |
| プロフィットロール | 一口サイズのシュー。山盛りにすることも。 | 「小さな贈り物・心付け」 |
| クロカンブッシュ | シューを高く積み上げ、飴で固めた塔。 | 「口の中でカリッとする」 |
このように、シュー生地は焼成時に発生する水蒸気の力で空洞を作り、そこに無限の創造性を詰め込むことができます。
パリ・ブレストはその中でも「スポーツの躍動感」を封じ込めた、唯一無二の存在なのです。
4. 現代に受け継がれる「大会記念スイーツ」の精神
スポーツの感動を食に託す文化は、現代でも色濃く残っています。記憶に新しい東京オリンピック・パラリンピック。
開催延期や無観客という困難な状況下でも、日本各地では公式マスコット「ミライトワ」をあしらったお菓子や、日本が誇る国民的スイーツ「東京ばな奈」の五輪限定パッケージなどが登場し、私たちの心を和ませてくれました。
こうした記念スイーツには、単なる物販以上の価値があります。それは「その時、その場所で共有した熱狂」を、日常のティータイムに持ち帰るためのタイムカプセルのようなものです。
公式オンラインショップで生活雑貨やアパレルを眺めるのも楽しいものですが、一口食べて「おいしい」と感じる体験は、五感を介して記憶に深く刻まれます。
5. 【実践編】自宅で本格パリ・ブレストを楽しむためのヒント
「自分でもパリ・ブレストを作ってみたい」という方にとって、最大の壁はシュー生地の成形と焼き加減でしょう。
生地が膨らまなかったり、焼き色が均一にならなかったりと、プロでも神経を使う作業です。
そこでおすすめしたいのが、「菊家の冷凍シュー生地キット」のような高品質な半製品を活用する方法です。
このキットはプロ仕様の生地が最適な状態で冷凍されており、家庭のオーブンでも失敗なくサクサクの食感を再現できると評判です。
冷凍シュー生地を「パリ・ブレスト」に昇華させるコツ
多くの人は「丸い個別のシュークリーム」として焼いてしまいますが、パリ・ブレストにするなら「円形に並べて絞り出す」のがポイントです。
クッキングシートの裏に直径15cm?18cmほどの円を書き、その線に沿って生地をリング状に絞ってみてください。
このとき、二重に重ねるように絞り、最後に上に一重重ねることで、厚みのあるプロのようなパリ・ブレストの土台が完成します。
中には、カスタードと生クリームを合わせた「ディプロマットクリーム」をベースに、ヘーゼルナッツペーストを加えるのが王道。仕上げに粉糖をたっぷり振れば、そこはもうパリの街角にあるパティスリーです。
まとめ:スイーツが繋ぐ歴史と情熱
パリ・ブレストという一つの菓子を深掘りすると、そこには100年以上続く自転車レースへの敬意と、職人たちの創造性が詰まっていることがわかります。
スポーツが私たちに「限界への挑戦」を見せてくれるように、スイーツは「日常の中の至福」を教えてくれます。
次にパリ・ブレストを口にするときは、ぜひその円形の先に、フランスのサイクルロードを駆け抜けるサイクリストたちの姿を思い浮かべてみてください。
ただ甘いだけではない、重厚な歴史の隠し味が、あなたのティータイムをより豊かなものにしてくれるはずです。
あなたは今、どんなスポーツの感動をスイーツと共に思い出したいですか?
by torezu

材料(21cm人分)
【 21cm&18cmの円】 /
★全卵カスタード /
卵 / 2個
グラニュー糖 / 大6
薄力粉 / 大4
牛乳 / 400cc
バニラオイル / 3滴
★シュー生地 /
有塩マーガリン / 125g
牛乳 / 125cc
水 / 125cc
薄力粉 / 150g
卵 / 4~5個
アーモンドスライス / 小2ほど
★デコレーション /
冷凍ホイップクリーム / 500~600ml
苺(小粒) / 1.5パック
キウイフルーツ(グリーン) / 2個
レシピを考えた人のコメント
甥っ子と姪っ子が遊びに来るということで、パリブレストを作ってみました。
シュー生地で一番大変な卵を入れてからの作業も、スタンドミキサーなら楽々です。^^
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