私は学生の頃、下町の小さなコロッケ屋でアルバイトをしていた。
もうその店はないが、当時の記憶が鮮明に蘇る。
昭和の終わりから平成の初め、コロッケは私にとっても、多くの日本人にとっても、
おふくろの味であり、懐かしさを感じさせる一品だった。
その時代のコロッケの材料はシンプルで、ジャガイモ、ひき肉、玉ねぎなど、家庭料理としての親しみやすさがあった。
家庭で手作りすることが一般的で、茹でたジャガイモをマッシュして具材を混ぜ、
パン粉をつけて揚げるというシンプルな調理法だった。
アルバイト先のコロッケ屋は、冷凍コロッケを揚げるだけの簡単な作業だったが、
それでも店の外には行列ができるほどの人気ぶりだった。
60円前後で買えるコロッケは、学生や主婦にとって手頃な価格で、手軽にお腹を満たせる食べ物として愛されていた。
ポテトコロッケや野菜コロッケ、かぼちゃコロッケ、チーズ入りのコロッケなど、バリエーションも豊富で飽きがこなかった。
しかし、思い出すのは楽しいことばかりではない。
ある日、店のオーナーから「訪問販売に行け」と言われ、近隣の住宅地を回ったことがある。
コロッケを一軒一軒訪ねて売るという仕事は、若い私にとって屈辱的で、まるで「マッチ売りの少女」になった気分だった。
それでも、時々優しい主婦が何個か買ってくれたことは救いだったが、
全体としては採算の合わない仕事で、正直に言えば嫌な思い出として残っている。
平成に入ると、コロッケの具材が多様化し始めた。
カレーコロッケやクリームコロッケ、シーフード入りのコロッケなど、
ファミリーレストランやコンビニの影響で、コロッケのバリエーションが増えたのだ。
この変化は、日本の食文化が徐々に多様化し、また忙しい日常に対応するための手軽さを求めるニーズに応えた結果でもある。
冷凍食品技術の進化により、コロッケは家庭で手作りするものから、冷凍食品として手軽に食べられるものへと変わっていった。
共働き家庭の増加や、時間の節約志向もこの変化を促進させた要因だった。
私が最近、冷凍食品コーナーで当時のコロッケを偶然見つけた時は、感動すら覚えた。
すぐに購入して自宅で揚げてみたところ、変わらないサクサク感と
ホクホクしたジャガイモの甘みが口いっぱいに広がり、懐かしさで胸がいっぱいになった。
令和の現代においても、コロッケは進化を続けている。
今や、健康志向や食事制限に対応したコロッケも登場している。
低糖質のコロッケや、エアフライヤーで調理するヘルシーなコロッケなど、選択肢はますます広がっている。
また、地産地消やフードロス削減といった現代の食文化のトレンドがコロッケにも影響を与え、
家庭での余り物を活用したコロッケ作りなども注目されているようだ。
このように、コロッケを通して見る日本の食文化は、時代とともに変化を遂げてきた。
昭和の戦後から続くコロッケの歴史は、日本の家庭料理の一部として定着し、食生活の多様化とともに進化を続けている。
グローバル化の影響で、カレー風味のコロッケやモッツァレラチーズ入りのコロッケなど、国際色豊かなバリエーションも登場している。
コロッケという一品を通じて、私たちの生活や文化がいかに変わり続けているかを感じることができる。
それは単なる揚げ物ではなく、時代の流れとともに進化し続ける日本の食文化そのものなのだ。
現代の多様な食文化や食事のトレンドと結びつき、コロッケはこれからも私たちの食卓で愛され続けることだろう。
あげないサクサクコロッケ
by homii2988
材料(2人分)
じゃがいも / 中3個(450g程度)
塩 (じゃがいもの0.8%) / 小さじ2/3(3g程度)
胡椒 / お好み
合挽き肉 / 60g
玉ねぎ / 中1/2個(80g)
塩(ひき肉+玉ねぎの0,8%) / 小さじ1/5(1g程度)
胡椒 / お好み
薄力粉 / 適量
卵 / 適量
パン粉 / 適量
レシピを考えた人のコメント
ノンオイルで作るオーブンで焼くコロッケです。
詳細を楽天レシピで見る→
━━━━━━━━━━━━━━━━━━…
↓↓ ポイントが貯まるレシピ サイト ↓↓
>>最短約 30 秒!▼無料▼会員登録<<
━━━━━━━━━━━━━━━━━━…