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現在の料理技術、現在のAIなどでの味覚の科学、それらは『おふくろの味』を超えることができるのか?
母の味・おふくろの味 ――それは私たちの記憶の中で特別な場所を占める存在です。
しかし、時にその思い出の中の料理が必ずしも絶品でないこともあります。
私の友人の話ですが、その友人のお母さんは料理が得意ではありませんでした。
彼の母の作る料理には、焦げすぎた魚や塩加減を間違えたスープなど、いわゆる「失敗作」が多かったらしいのです。
でも今思えば、そんな料理でさえも、心のどこかに温かみを感じていたとは言ってました。
一方で、母の料理が絶対においしいという先入観もあります。
これは私の話ですが、あるとき母が、私が幼い頃に大好きだったスイーツを作ってくれました。
私の母が作ってくれていたスイーツ。
その名は『牛乳羊羹』。
大好きだったんですよ。母のスペシャリテ。母も気が向くと作ってくれて、いつも楽しく、美味しく食べてました。
そんな『牛乳羊羹』を成人になった頃に久しぶりに作ってくれました。
「今日は久しぶりに『牛乳羊羹』作ってみたよ」なんて言ってる、かなりのお婆になった我がマミー。
ワクワクしながら食べたんですけどね。。。。
そうか・・・・。あの頃はこれが美味しくて美味しくて・・・。
そんな子供だったんだなー。 ってね。
そうですよ。ウルトラマン見て喜んでたのと一緒で、今さら僕らがさ、そんなウルトラマン見たってってさ。
それと一緒ですわな。 悪いけどこれはコンビニに並べても売れないよ。。。当然ながら。。。
でもでも。 だからですけど、実際に母親の料理やそんなスイーツがなぜ特別なのかを考えると、
それはその子ども一人一人のために特別に作られたものだからでしょう。
お惣菜やコンビニの食品とは違い、母の料理はその家庭の風土や文化、家族の好みに合わせて作られます。
そのため、そこには大きな愛情と配慮が込められているのです。
ではこのページの核心に迫っていきましょうか。今の時代、科学技術や料理人の技術は飛躍的に進歩しています。
レストランやコンビニエンスストアで売られる料理は、非常に高いクオリティを持ち、多くの人々の舌を満足させることができるようになっています。
でもですよ、いっぽうで母の料理には、ただの味や香り以上のものが含まれています。
私たちが子供の頃から慣れ親しんだその味は、記憶と結びつき、深い情緒的なつながりを持っています。
これを「プルースト効果」と呼びますが、特定の味や香りが強い感情や記憶を呼び起こす現象です。
つまり、母の料理には、科学技術が再現しがたい情緒的な価値が含まれているのです。
母の料理は特定の人を思いながら作られますよね。いわば家族の一人一人をターゲットにして、
きわめて身近な、特定の人間に合わせて調整された料理であること。
好みや健康状態を考慮しながら作られる料理は、その人にとって最適なものであり、それが母の味の特別さをより際立たせます。
一方で、大量生産されるお惣菜やコンビニ食品は、不特定多数の人に合わせて作られるため、個別の好みやニーズに応えることが難しいのです。
さてそれでは、味覚もAIで再現することができるようになった、この現代の科学技術は母の味を再現することができるのでしょうか?
前述した、成人なって食べたらあんまりの『イマイチだった母のスイーツ』や、
友人の母親の料理の失敗などなど、 『ゴメンね。。。また焦がしちゃった。。』・・・。
そんな『可愛げのある母の味』をAIは超えられるのか???
我々の深層心理に深く根付いている、幼いころからのあの味を超えることができるのか?
現代の技術は、食品の味や質を高度に制御することが可能です。AIやロボットが調理を行い、個別の好みに合わせた味付けをすることもできるでしょう。
しかし、母の料理に込められた情緒や愛情を完全に再現することは今のところは、まだ難しいようです。(なんか安心)
料理には、調理者の意図や感情、微妙な味の調整や食材の選択など、感覚的・直感的な要素が多く含まれています。
さらに、母の料理には、その家の文化、そして代々の伝統が反映されていることもあります。
これは一朝一夕で再現できるものではなく、長い時間をかけて築かれるものです。科学技術が進歩しても、これらの要素を完全に再現するのは困難でしょう。今のところはですが・・。
それでも、技術は私たちの食体験を豊かにするための可能性を驚くべき速度で進化、広げています。
例えば、VRを用いた食事体験の演出や、AIを用いた個別の味の好みに合わせた調理などが研究されています。
これらの技術は、母の料理の持つ特別な価値を完全に再現することはできなくても、私たちの食生活をより豊かにする手助けをしてくれるでしょう。
結論として、現在の技術や科学が母の味を完全に超えることは難しいかもしれません。
母の料理には、科学では再現しきれない情緒的なつながりや個別対応の要素が大きく関わっているからです。
しかし今後も、技術が進歩することで、私たちの食体験を豊かにし、新しい形での「特別な味」を提供することになってくるでしょう。
それは母の味とは異なるかもしれませんが、また別の形で私たちに温かみと満足感を与えてくれるでしょうけど・・・。
AI技術も母親たちにくらべたら、まだまだ修行が足りないんでしょうかな?