カエサルじゃない!?シーザーサラダの真実。ってあの歴史上の人物の『シーザー』なのか!?

シーザーサラダの「シーザー」はローマ皇帝じゃない?意外な発祥の物語と、冬こそ食べたい濃厚手作りレシピ
木枯らしが窓を叩く冬の夜。温かいシチューや鍋もいいけれど、暖房の効いた部屋で食べる「冷たくて濃厚なサラダ」には、特別な贅沢さがあると思いませんか?
そう、シーザーサラダです。
ところで、あなたはずっと疑問に思っていませんでしたか?
「シーザーサラダの『シーザー』って、あの歴史上の人物の『カエサル』のことなの?」と。
レストランのメニューでその名を見るたび、古代ローマの英雄が月桂樹の冠をかぶり、優雅にサラダを食べている姿を想像していたのは、私だけではないはずです。
しかしある日、その真実を知り、さらに自宅で「本物の味」を作れるようになったとき、私の食卓の景色は一変しました。
今回は、意外と知られていないシーザーサラダの「名前の真実」と、市販のドレッシングには戻れなくなる、魔法のようなレシピのお話をしましょう。
1. 歴史の真実:カエサルとは無関係だった「偶然の産物」
結論から申し上げますと、シーザーサラダの名前は、古代ローマ皇帝ユリウス・カエサル(Julius Caesar)とは一切関係がありません。
「えっ、そうなの?」と拍子抜けされたかもしれません。
私も最初はそう思いました。まるで歴史ロマンが一つ消えてしまったような、少し寂しい気持ちになったものです。
しかし、実際の誕生秘話を知れば、それはそれで一つの映画のようなドラマがあることに気づきます。
シーザーサラダ発祥の地はメキシコ
舞台は1924年の7月4日、アメリカの独立記念日の夜。場所はイタリアでもローマでもなく、メキシコの国境の町、ティフアナにあるレストラン「シーザーズ・プレイス(Caesar’s Place)」です。
この店のオーナーシェフこそが、イタリア系移民のシーザー・カルディーニ(Caesar Cardini)氏。そう、シーザーサラダの「シーザー」は、考案者であるシェフの名前だったのです。
その夜、店はアメリカからの観光客でごった返し、食材が底をつきかけていました。「もう出せる料理がない…」。
絶体絶命のピンチに陥ったシーザー氏は、厨房に残っていたありあわせの材料――ロメインレタス、卵、オリーブオイル、チーズ、パンの切れ端――をかき集めました。
そして彼は、客の目の前でそれらを大きなボウルに入れ、即興で混ぜ合わせて提供したのです。
これこそが、世界中で愛されるサラダが産声を上げた瞬間でした。
皇帝のために作られた料理ではなく、「客を喜ばせたい」というシェフの情熱と機転から生まれた料理だったのです。
これを知ると、レストランでシーザーサラダを注文する時、少し違った感慨深さが湧いてきませんか?
2. 冬の食卓にこそ、濃厚な「白」のサラダを
私がシーザーサラダの虜になったのは、その歴史を知ったからだけではありません。
それを作る過程そのものが、まるで料理の魔法のように思えたからです。
特に、空気が乾燥し、寒さが厳しくなる今の季節にこそ、このサラダは本領を発揮します。
夏場はさっぱりとしたドレッシングが好まれますが、冬はこっくりとした旨味が恋しくなります。
雪のように降り積もるパルメザンチーズ。 カリカリに焼かれたベーコンの香ばしい脂の匂い。
そして、濃厚なドレッシングを全身に纏ったロメインレタスの深い緑。
ドレッシングを乳化させるように丁寧に混ぜ合わせる作業は、なんとも心地よい時間です。とろりとしたソースが完成し、それを野菜と和えるときの手応え。
大皿に盛り付けたサラダを家族4人で取り分け、それぞれのお皿が空になった時の「美味しかったね」という笑顔。
かつては「外食で食べる特別なもの」だと思っていたシーザーサラダですが、実は自宅で作る方が、圧倒的に経済的で、何倍も美味しいことに気づいてしまったのです。
3. 脱・市販ドレッシング!「お家にあるもの」で作る魔法のレシピ
ここからが本題です。 「家で作るといっても、専用のドレッシングを買わなきゃいけないんでしょう?」と思っていませんか?
実は、シーザーサラダに市販のドレッシングは必要ありません。
冷蔵庫にあるいつもの調味料を混ぜるだけで、レストラン顔負けの味になります。
一度この味を知ってしまうと、もうボトルのドレッシングには戻れないかもしれません。
【材料】(2から3人分)
まずは主役となる具材です。
- ロメインレタス:1株(なければサニーレタスでもOKですが、あの「ザクザク」とした食感を楽しむならロメインが必須です)
- ベーコン:厚切りを2?3枚
- 食パン:1枚(または市販のクルトン)
- パルメザンチーズ:たっぷりと(粉チーズでOK)
- 黒こしょう:多めに(味の輪郭を引き締めます)
【魔法のドレッシング】
これが味の決め手です。以下の材料をボウルでよく混ぜ合わせておきます。
- マヨネーズ:大さじ3
- 牛乳:大さじ1(濃厚さを残しつつ、まろやかにします)
- 粉チーズ:大さじ1
- レモン汁:小さじ1(フレッシュな酸味が全体のバランスを整えます)
- おろしニンニク:チューブで1?2cm(パンチを加えます)
- 砂糖:ひとつまみ(隠し味です)
※もし冷蔵庫に「アンチョビペースト」があれば、少し加えてみてください。一気に本格的なリストランテの味に変わります。
作り方の手順と、美味しくなる3つのコツ
ただ混ぜるだけではありません。ほんの少しのコツで、劇的に美味しくなります。
手順1:クルトンとベーコンを「育てる」
食パンをサイコロ状に切り、フライパンで乾煎りします。カリカリになったら一度取り出し、同じフライパンでベーコンを焼きます。 ベーコンは「焼きすぎかな?」と思うくらいカリカリにするのがポイント。この香ばしさと塩気が、甘みのあるレタスと最高の相性を生み出します。
手順2:レタスの水気は「敵」だと思うこと
洗ったレタスは、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ってください。 ここに水分が残っていると、せっかくの濃厚なドレッシングが薄まり、味がぼやけてしまいます。 手で大きめにちぎることで、ドレッシングが絡む断面を増やしましょう。包丁で切るよりも、口当たりが優しくなります。
手順3:かけるのではなく「和える」
ここが最大のポイントです。 お皿に盛ってからドレッシングをかけるのではありません。食べる直前に、大きなボウルの中でレタスとドレッシングを和えるのです。 シーザー氏が厨房でやったように、葉の一枚一枚にドレスを着せるようなイメージで。
全体に味が馴染んだらお皿に盛り付け、カリカリのベーコンとクルトンをトッピング。最後に「これでもか!」というくらいパルメザンチーズと黒こしょうを振れば完成です。
まとめ:歴史を噛み締め、旬を味わう
古代ローマの皇帝ではなく、メキシコの国境の町で、客を想うシェフの機転から生まれたシーザーサラダ。 その歴史的背景を知り、自分の手で丁寧に作った一皿は、ただのサラダ以上の価値を持ちます。
外は寒い冬空ですが、食卓にはシャキシャキとしたレタスの音と、ニンニクとチーズの食欲をそそる香りが広がります。 手間もかからず、経済的で、野菜もたっぷり摂れる。 今夜の献立に迷ったら、ぜひこの「物語のあるサラダ」を作ってみてはいかがでしょうか。
きっと、一口食べた瞬間、あなたの食卓にも小さな「魔法」がかかるはずです。
シーザーサラダ
料理名:シーザーサラダ
作者:liqueur
■材料(2人分)
ロメインレタス / 4枚
☆シーザーサラダドレッシング☆ /
☆レモン果汁 / 小さじ1
☆マヨネーズ / 大さじ1
☆オリーブオイル / 大さじ1
☆塩 / 小さじ1/4
☆粗挽き黒胡椒 / 少々
★クルトン★ /
★食パンの耳 / 8枚切り1枚分
★オリーブオイル / 大さじ1
パルメザンチーズ(粉チーズ) / 大さじ1
■レシピを考えた人のコメント
手作りドレッシングとクルトンで作る、簡単シーザーサラダです。
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