- Home
- グルメな雑学, 他情報, 気になるお店, 電脳レストランマーケティング
- 「Nリリース」後編。個人店がテレビ・雑誌に採用されるニュースリリース戦略
「Nリリース」後編。個人店がテレビ・雑誌に採用されるニュースリリース戦略

小さな個人店が「行列店」に変わる奇跡の戦略
正直な仕事でメディアを動かすニュースリリースの書き方
大手企業の資金力に頼らず、あなたの情熱と真面目な仕事ぶりをマスコミに届ける「ゲリラ戦」の全貌。
飲食店のマスコミ取材をテーマにした続きの後編となります。
先日の前編の続きなんですが、
「どうせウチみたいな小さなお店じゃ、テレビや雑誌の取材なんて来っこないよ。」
そう思っていませんか?その気持ち、痛いほどよく分かります。自動車メーカーのような大企業なら、新車発表会でマスコミを自社の都合で動かすことができます。
潤沢な広告費もあります。しかし、私たちは違います。イチ個人、イチ店舗の「ゲリラ戦」です。お金も時間もかけられない中で、どうやってプロの編集者やライターの視線を引きつけるのか?
実は、その答えは非常にシンプルです。それは、「マスコミの動きを読み、彼らが欲しがるタイミングで、彼らが記事にしやすいフォーマットで情報を提供する」こと。そして何より、あなたの「正直で真面目な仕事」を主役にすることです。
このページでは、取材未経験の飲食店がわずかな費用でメディアの注目を集め、集客を劇的に改善するための戦略と、具体的なニュースリリースの書き方、そしてその送り先などを交えてお話しします。
1. 大企業と戦わない。我々個人店のための「取材ゲリラ戦略」の心構え
大企業は「お金」で席を買います。私たちは「情報」と「タイミング」で席を勝ち取ります。
イベントを逆算せよ:マスコミの年間カレンダーを読む
マスコミ、特に雑誌の企画は、読者の生活サイクルに合わせて動いています。彼らはネタを探しているのではなく、決まった「特集の枠」にハマる「素材」を探しているのです。
年間を通じてマスコミが動く、狙い目のイベントは以下の通りです。
- 冬から春(12月から2月): クリスマス、正月(忘新年会)、バレンタイン、受験シーズン(勝負メシなど)。
- 春(3月?4月): ひな祭り、卒業・入学祝い、花見(テイクアウトや宴会)。
- ゴールデンウィーク(4月から5月): 旅行、遠出、地域のお祭り。
- 夏(6月から8月): 梅雨の憂鬱を吹き飛ばすメニュー、土用の丑の日、夏バテ対策、ビアガーデン。
- 秋(9月から11月): 食欲の秋、ジビエ解禁、ハロウィン、ボジョレーヌーボーなど「旬」の食材。
あなたの店舗の「スペシャルメニュー」は、この年間カレンダーのどこに当てはまりますか?これを意識してリリースを送るだけで、単なる「新商品告知」が「特集に採用されやすい企画提案」へと昇華するのです。
|
? |
2. ライターの心を掴む!採用されるニュースリリースの「黄金比」
ライターはあなたの送ったリリースを元に、記事の骨格を組み立てます。彼らにとってあなたのリリースは「作文」ではなく、**「編集可能なニュース素材」**でなければなりません。作文のように情緒的な書き出しは不要です。
「映え」より強い!あなたの「正直な仕事」を主役にする
もちろん、現在の時代、「映える一皿」は無視できません。しかし、「映え」ばかり意識した結果、本質のない、一時的なルックスだけのメニューになってしまっては意味がありません。
あなたが長年守ってきた「正直で真面目な仕事」、たとえば、「毎朝市場で直接仕入れる野菜へのこだわり」や「30年間継ぎ足してきた秘伝のタレの物語」こそが、ライターや読者が本当に求めている「ニュースバリュー」です。
必須!ライターに「仕事をさせる」ための情報設計
ニュースリリースは、次の5つの情報で構成されている必要があります。
- タイトル(見出し): 記事になるときのタイトルを想定し、インパクトと具体的な内容(メニュー名、イベント名)を入れる。**「日本初」「期間・数量限定」「驚きの◯◯」**など、数字や強調語を用いる。
- リード文(概要): 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を**最初の3行以内**で完結させる。忙しい編集者でも一瞬で内容を把握できるようにする、最も重要な部分です。
- 本文(詳細): こだわり、料理の背景、開発秘話、シェフ・オーナーのコメントなど、詳細な裏付け情報を記述する。
- 写真: 「映る一皿」はもちろん重要ですが、**料理に込めた情熱が伝わるような写真(調理風景、真剣な表情)**も加えることで、記事の幅が広がります。
- 連絡先・店舗情報: **GEO(地域検索)対策**にも直結する最重要項目。後述します。
この構成で書くことで、ライターはあなたの文章をほぼ修正することなく、そのまま記事の素材として使えるようになり、「採用されやすい」リリースになるのです。
3. 情報鮮度が命!無駄打ちを避ける「送り先選定術」
一生懸命作成したニュースリリースも、送り先を間違えれば「廃品」になってしまいます。狙うべきは、**「情報鮮度が高く、あなたの店と読者層がマッチしている」**媒体です。

雑誌選びは「読者層」と「店」のミスマッチを避ける
ファッション誌、ライフスタイル誌、グルメ専門誌、地域情報誌…雑誌にはそれぞれ異なる読者がいます。
- NG例: 家族向けの大衆食堂のリリースを、20代女性向けのトレンド雑誌に送る。
- OK例: 地元産のジビエ料理を、食にこだわる層向けの専門グルメ誌や、環境問題に関心が高いライフスタイル誌に送る。
雑誌の裏表紙を見れば編集部の所在地が記されており、それが最も正確な送り先ですが、廃刊のリスクもあります。
地方メディアとネットを活用した「情報拡散網」の構築
巨大メディアにこだわる必要はありません。むしろ、地域に根ざしたメディアの方が、より熱心に地元の情報を探しています。
- ケーブルテレビ・地方テレビ局: 地域密着型の生活情報番組は、毎週新しいネタを求めています。飲食店であれば、季節のメニューや地域活動への貢献といった切り口が刺さりやすいです。
- ローカル新聞: 地域の住民への影響力は絶大です。特に「新メニュー」「新店オープン」は、そのまま地域ニュースとして採用される可能性が高いです。
- グルメサイト・キュレーションメディア: 莫大なアクセスを集める大手グルメサイトや、特定のテーマに特化したWebメディアは、常に新鮮な情報を求めています。これらの運営会社にも直接リリースを送るか、Web上の「情報提供フォーム」を活用しましょう。
送り先は一つに絞らず、あなたの店と相性の良いメディアを網羅した「ターゲットリスト」を構築することが、ゲリラ戦略の要です。
4. 成功者が必ず行う「最後の砦」と「継続の哲学」
リリースを作成し、送り先を選定した。しかし、最も基本的なミスが、せっかくの努力を水泡に帰すことがあります。
連絡先ミスは致命傷!リリース送付前の「最終チェック」
ニュースリリースの最後に記載する店舗情報こそが、ライターが最も最初に確認する部分です。ここにミスがあれば、取材の電話はかかってきません。
- 複数人によるクロスチェック: 自分で何度も確認しても、誤字脱字、特に連絡先(電話番号、住所)は見落としがちです。必ず、第三者に最終チェックをしてもらいましょう。
- **GEO対策の徹底:** リリース文面、そして**ホームページ**にも、お店の正式名称、正確な所在地、**電話番号**、**ウェブサイトURL**、**営業時間**を明確に記載してください。
そしてもう一つ重要なのが、信用性です。
リリースで告知した「スペシャルメニュー」の記事を、並行してホームページにも掲載しておきましょう。
これにより、情報の真実性が高まり、その他のメニューやお店の雰囲気などの情報も同時に提供できます。
負けても諦めない!取材戦略のPDCAサイクル
ニュースリリースを送って、1回で採用される確率は決して高くありません。それが現実です。
しかし、このリリース戦略の本当の価値は、「送る」という行為自体にあります。
- リリース作成を通じて、あなたは自分の店を客観的に分析し、「ニュース性のある強み」を言語化できます。
- 送付を続けることで、編集部に対して「この店は定期的にユニークな情報を提供してくれる」という認識を持たせることができます。
採用されなくても、諦めずに定期的に、戦略的にコツコツと送り続けることが、マスコミ取材を獲得する最短にして唯一の道です。年間戦略に基づき、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回しながら、あなたの情熱を伝え続けてください。
最後に:あなたの情熱を「ニュース」に変えるために
ニュースリリースは、単なるお店の告知ではありません。それは、あなたの「正直な仕事」への情熱を込めた「名刺」であり「ラブレター」です。
テクニックに溺れることなく、あなたの真面目さを核に据え、この戦略を実行してみてください。きっと、あなたの街のお店の賑わいを取り戻す一助となるはずです。



















