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動画.ch トマトホール缶で作るトマトソースは、無添加のフォンドボーで美味になります。

【KWBfoods フォンドボー取説】市販のトマト缶が「極上ソース」に変わる。
ミキサーNGの理由と、旨みを劇的に変える隠し味とは?
「トマト缶でソースを作ってみたけれど、なんだか酸っぱくて、物足りない……」
そんな経験はありませんか?洋食の世界に身を置く私たちにとって、輸入もののトマト缶は非常に便利な相棒ですが、実はそのまま煮込むだけでは、レストランの味には届きません。
料理は、素材の個性をどう引き出し、足りない要素をどう補うかの「算数」です。
今回は、私共の「フォンドボー」を使用して、トマト缶を「黄金のトマトソース」へと昇華させるプロの技をお伝えします。
1. なぜ、あなたのトマトソースは「物足りない」のか?
市販のトマト缶は、フレッシュなトマトの酸味を閉じ込めた素晴らしい食材です。
しかし、ソースとして仕上げるには、どうしても「旨みの厚み」と「油分のまろやかさ」が不足しがちです。
「旨みの階層」をデザインする:フォンドボーの役割
そこで登場するのが、私たちの強い味方「フォンドボーキューブ」です。
トマトの植物性の酸味に対し、フォンドボーという動物性の重層的な旨みを加えることで、味の土台がどっしりと安定します。
仕上げにはバターをひとかけら。これが、角のある酸味を包み込み、プロの料理に欠かせない「コクとまろやかさ」を生み出すのです。
2. 【重要】ミキサーは厳禁。プロが「フードプロセッサー」にこだわる理由
ここが、今回最もお伝えしたい「プロの分岐点」です。多くの方が、トマトを滑らかにしようとしてミキサーにかけてしまいます。しかし、これは絶対NGです。
輸入もののトマト缶を思い出してください。中には、トマトが丸ごとゴロッと入っていますよね。実はその中には、種や内側の強いスジがそのまま残っています。日本の生食用トマトと違い、加熱用のトマトは「構造」がしっかりしているのです。
種を砕くと、雑味とエグみが出る
ミキサーの強力な刃で回してしまうと、この種やスジまで微細に粉砕されてしまいます。すると、ソースにトマト本来の爽やかさではない「種由来の苦味やエグみ」が混ざり、色が濁ってしまうのです。
「フードプロセッサーで、回しすぎない」。これが鉄則です。トマトの果肉を「潰す」感覚で止め、その後に「シノア(漉し器)」で丁寧に濾す。
このひと手間で、驚くほど澄んだ、絹のような口当たりのソースが完成します。
もし道具がなければ、包丁で叩いてから濾すだけでも、ミキサーより数段上の仕上がりになります。
3. 焦げ付き注意!「トマトの沈殿」を見逃さない
調理の際、意外と見落としがちなのが「鍋底」です。トマトの果肉は密度が高く重いため、加熱しているとすぐに鍋の底へ沈殿しようとします。
「弱火だから大丈夫」と放置するのは禁物。重い果肉が熱源に近い場所に留まり続けると、気づかぬうちに薄い膜のように焦げ付き始めます。
これがソース全体に回ると、せっかくの香りが台無しになってしまいます。
鍋底をなぞるように、優しく、しかし確実に混ぜてあげること。この対話が、美味しいソースを育てるのです。
4. 一度の苦労で一生楽をする。「ベースソース」の冷凍保存術
料理の味を安定させる最大の秘訣は?
プロの厨房では、この完成されたトマトベースを大量に作り、ストックしておきます。これさえあれば、あとの調理は驚くほどスムーズになります。
- パスタソースとして:オリーブオイルでニンニクと唐辛子を熱し、ベーコンを炒めたところに、この「魔法のベース」を投入するだけ。
- 煮込み料理として:鶏もも肉をカリッと焼いて、ベースソースと少しの水を足して弱火でコトコト。水分を飛ばしながら濃度を調節すれば、絶品チキンのトマト煮の完成です。
- 冷製パスタやピザに:すでに雑味が取り除かれているので、冷やしても香りが引き立ちます。
味の「安定感」が、作り手の「信用」に変わる
「パパが作るトマト料理は、いつ食べても外れがないね」。そんな家族の声は、ベースソースの安定感から生まれます。
ジップロックやソース用のパレットに入れて冷凍しておけば、忙しい平日でも、週末のレストランの味を再現できるのです。
5. 料理を愛するあなたへ贈る、プロのまとめ
美味しいトマトソースを作ることは、決して難しい魔法ではありません。
- 旨みの補強(フォンドボー)
- 適切な粉砕(フープロで回しすぎない)
- 丁寧な濾し(種とスジの除去)
- 底を焦がさない愛情
この4つのポイントを守るだけで、あなたの料理は劇的に変わります。
「今日はじっくり、美味しいものを作ろうかな」。そう思った日のキッチンで、ぜひこの方法を試してみてください。トマト缶を開ける音が、新しい美味しさへの合図になるはずです。
動画では、この記事で説明した「フードプロセッサーを止めるタイミング」や「ソースの絶妙な濃度」を映像でお伝えしています。
ぜひ、視覚と聴覚でも、この技を確かめてみてください。
トマト缶で作る美味しいトマトソース、パスタソースのレシピ 作り方

















