日本とフランスの料理修行の違いを検証。張りつめた緊張の和の板場と荘厳、厳粛なるフランスの厨房

今回は料理の世界に身を投じた一人の料理人の視点から、


日本とフランスの料理修行を振り返り、その違いと共通点を探ってみようか。


この記事は、ある知人からその知人の友人の息子さんが和食の世界に入りたいと言う相談を受け、


それをきっかけにこの記事の執筆にいたりました。


その日本の和食の修行は、古くから厳しさで知られていて、


包丁一本を手に全国を旅し、見知らぬ土地で板場修行に励むというスタイルは、数世代にわたり伝えられてきた伝統。


この修行の過程では、料理の技術だけでなく、忍耐力と根性も試される。


板前たちは、早朝から深夜まで働き、魚をさばき、出汁を引き、そして料理を盛り付ける。


見習いの間は特に厳しく、毎日のように師匠や先輩からの罵声が飛び交う。


包丁の持ち方一つを間違えれば、その場で手が飛ぶような勢いで叱られる。


こうした過酷な環境の中で、板前たちは技術を磨き、精神を鍛える。今ならパワハラとかで大変です。



修行の一環として、漁師や市場の人々との関係も重要です。板前たちは毎日、新鮮な魚や野菜を仕入れに市場に出かけます。


市場の人々もまた、威勢の良い性格を持ち合わせており、板前も同様の気質を持つことが求められる。


市場での取引では、品物の品質を見極める目利きの技術も求められ、そのためには料理の知識だけでなく、素材の選別にも精通していなければならない。







フランス料理の起源と修行の伝統


一方、フランスの料理修行は、まったく異なる背景を持っているようです。


フランス料理は、もともとは貴族や王族のために作られたものであり、そのルーツは中世にまで遡ります。


特にマリー・アントワネットの時代、貴族たちは豪華な食事を楽しんでおり、それを支えたのが彼らの専属の料理人たちだった。


しかし、フランス革命が起こり、貴族社会が崩壊すると、多くの料理人たちは職を失った。


彼らは新しい生活を求めて町へと出て行き、自分たちの技術を活かしてレストランを開業した。


こうして、フランス料理は貴族の城を飛び出し、庶民の手に渡るようになったのだ。



フランスの料理修行もまた、非常に厳しいものです。



修行は多くの場合、パリや地方の有名レストランで行われ、料理学校を卒業したばかりの若者たちがシェフの下で働きます。


彼らは「ミゼ・アン・プラス(Mise en Place)」という概念を徹底的に叩き込まれる。


これは、料理の準備段階で全ての材料を適切に計量し、切り分け、並べておくことであって、平たく言えば『仕込み』です。


その『仕込み』を効率的かつ高品質な料理を提供するための基本を身につけます。


フランスの厨房では、「ブリゲード(Brigade)」システムという階層的なキッチン体制が敷かれている。


これは、シェフが頂点に立ち、その下に複数の部門シェフが配置される形式です。


各部門シェフの下には、さらにそれぞれの補佐役や見習いが続く。


こうした階層構造は、明確な役割分担と責任を伴い、厳しい管理の下で業務が行われる。



日本とフランス、どちらの料理修行も、その厳しさと求められる技術の高さでは共通している。


日本の板場修行では、職人の技術と伝統が重視され、実地での経験を通じて手技を磨く。


一方、フランスの修行は、料理の科学的理解と組織的な管理を重視し、論理的思考を伴った技術習得が求められる。






また、両国ともに、料理修行の過程で身につけるべき最も重要な要素の一つは、精神力である。


日本の板前たちは、厳しい環境の中で忍耐力と根気を養う必要がある。


フランスのシェフたちもまた、長時間労働と厳格なキッチンのルールの中で精神的な強さを求められる。



しかし、両国の料理修行には大きな文化的な違いも存在します。


日本の料理修行は、料理そのものだけでなく、その背景にある文化や伝統、美意識も重要視される傾向があります。


特に、四季折々の素材を生かした繊細な味付けや、美しい盛り付けに対するこだわりが強いようです。


これに対し、フランスの料理修行では、食材の化学的特性や調理プロセスの理論的な理解が強調される。


フランス料理は、調理法やソースの多様性、そしてワインとのペアリングに至るまで、


総合的な食の芸術としての完成度を追求します。


そしてそれらは店内に入るときに感じられる時もある、


和の料亭などは店内に入った瞬間に感じられる糸を張ったような張りつめた緊張感が伝わってくる・・・。


それが他では味わえない、洗練された空気の心地よさだったりします。


一方のフレンチやイタリアンの最高の格式高いお店でも、


和の料亭にはあまりないフランクな空気が漂っていたりする。


ヨーロッパのレストランでは、店内に入って食事をする前に調理場に案内される時がある。


ガラス張りの厨房で、まるで舞台の上で仕事をしているような料理人たち。


目が合うとウィンクしながら手を振ってくれたりする。それも『遊び心』の一部なのかもしれません。


日本とフランスの料理修行は、それぞれ異なる文化と歴史の中で発展してきたが、


その本質的な目的は同じかもしれません。



それは、卓越した料理を通じて人々を喜ばせることは基本の『き』。



そして、その目的を達成するためには、厳しい修行を通じて技術と精神を鍛える必要がある。


どちらの修行も、料理人としての成長を促し、一流の職人を育てるための厳格な試練であり、


料理を通じて人生を豊かにするための貴重な体験なのです。



料理人としての道を歩む者にとって、この異なる二つの修行の世界は、ただ料理を学ぶ場ではなく、



自らの技と精神を磨くための道場であり、人生そのものを学ぶ場でもある。


そして、その道のりを進む者たちには、必ずや素晴らしい未来が待っていると信じているに違いない。


まだまだ修行中のパン
by カナシュンばーば

まだまだ修行中のパン

材料(4人分)
ドライイースト / 小さじ2
強力粉 / 400g
塩 / 小さじ1
砂糖 / 大さじ5
スキムミルク / 大さじ2
オリーブオイル / 30cc
たまご / M1個
水 / 190cc
●ウインナー / 10本

レシピを考えた人のコメント
型は20cmX8cmです。
まだまだ修行中!
見た目もおいしくなるようにがんばりたいです。

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