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料理Q&A ビーフシチューをもう少し美味しくする家庭でお店の味。ワンランク上にする秘密

看板料理のビーフシチューを、もう一段階美味しくする方法
ある日、一通のメールが届きました。
「お店の看板料理であるビーフシチューを、もう少し美味しくしたいのですが、何かアドバイスはありますか?」
飲食店を経営されている方からのご相談でした。
自分のお店の料理をさらに良くしようとする、その向上心!!
お客様に好評をいただいているにもかかわらず、現状に満足せず、より良いものを追求する姿勢は、本当に素晴らしいものです。
詳しくお話を伺うと、牛のスネ肉を使ったビーフシチューで、市販のルーを使っているとのことでした。
原価を抑えつつも、お客様には喜んでいただいているようです。 しかし、ご主人は「どうも納得がいかない仕上がり」だと感じていらっしゃるようでした。
そのお気持ちは痛いほどよく分かります。 市販のルーは手軽で便利ですが、どうしても画一的な味わいになりがちです。
料理の「格」は、素材で決まる
良い素材を使えば、料理は間違いなく美味しくなります。 これは料理の世界では紛れもない真実です。
しかし、その分原価がかかるという現実的な問題も同時に浮上します。 「どこでどう選択するか」が、料理人としての腕の見せどころであり、経営者としての判断の鍵となります。
このご主人には、まず市販のルーではなく、私たちの業務用フォン・ド・ボーをおすすめしました。
フォン・ド・ボーは、フランス料理の基礎となる「出汁」であり、これを使うことで料理の土台が格段に向上します。
市販のルーのように粉末で手軽に使えるタイプではないため、手間はかかりますが、その仕上がりは歴然とした差となります。
「信じられない美味しさ」と、ご主人はその変化に驚かれていました。
最近、お付き合いのある飲食店の方々と話していると、皆さん口を揃えてこう言います。 「もう美味しくない物は売れない」と。
これは、私たちの食を取り巻く環境全体に言えることだと思います。 顕著に表れているのが、最近のコンビニエンスストアの食品です。
以前の「コンビニ弁当」と言えば、「体に悪い」「手抜き」といったネガティブなイメージがつきものでした。 しかし、今のコンビニ食品の品質向上には目を見張るものがあります。
「お客様は、安くても不味いものは見向きもしない」時代になったのです。
一つのお弁当を作るにも、企業は必死になって知恵を絞り、材料を選び、調理法を工夫しています。
もはや、料理が美味しいのは当たり前。 これからの飲食店も、同様に必死にならなければ生き残れません。
コンビニ食品のレベルが向上することは、実は「国民全体の味覚の底上げ」につながっています。 「これならレストランじゃなく、コンビニで買った方がマシ」 そんな日が来るのもそう遠くないかもしれません。 だからこそ、私たちは料理人として、プロとして、常に「もう一段階上」を目指さなければなりません。
ビーフシチューを美味しくする、素朴な疑問と回答
Q1. ビーフシチューに使う肉は、やはり「すね肉」が良いのですか?
A. ビーフシチューに最適な肉の部位として、すね肉やほほ肉がよく挙げられます。
これらの部位は、コラーゲンや筋が多く、長時間煮込むことでゼラチン質に変わり、とろけるような食感と深いコクを生み出します。
ただし、これらの部位が手に入らない場合でも、肩ロースやバラ肉もおすすめです。
肩ロースは赤身と脂身のバランスが良く、バラ肉は脂の旨みが強いため、それぞれの個性を活かしたシチューが作れます。
大切なのは、肉の筋を丁寧に下処理することと、表面をしっかりと焼き付けて旨みを閉じ込めることです。
手間をかけることで、どんな部位でも美味しく生まれ変わります。
Q2. ビーフシチューの野菜は、どれくらい煮込めば良いですか?
A. 野菜をいつ入れるかで、仕上がりの食感が変わってきます。 玉ねぎやにんじん、セロリなどの香味野菜は、まずしっかり炒めて甘みと香りを引き出してから、煮込みの最初の段階で加えます。
こうすることで、スープ全体に野菜の旨みが溶け込み、味に深みが出ます。 じゃがいもやブロッコリーなど、煮崩れしやすい野菜は、煮込みの後半に加えるのがポイントです。
そうすることで、野菜本来の形と食感を保つことができ、見た目も美しく、よりおいしく仕上がります。
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プロの料理人が「煮込み鍋」にこだわる理由
ビーフシチューのような煮込み料理は、使う鍋によっても仕上がりが大きく変わります。 特に煮込み料理に適しているのは、鋳物ホーロー鍋です。
鋳物ホーロー鍋は、熱伝導率が非常に高く、一度温まると冷めにくいという特徴があります。
このため、食材全体に均一に熱が伝わり、じっくりと時間をかけて火を通すことができます。
また、密閉性が高いため、食材から出る水分が蓋に付いて水滴となり、再び鍋の中に戻る「セルフ・ベイスティング・システム」という仕組みで、無水調理や少ない水分で調理することが可能です。
これにより、食材本来の旨みを逃がさず、凝縮された濃厚な味わいを生み出します。
この仕組みは、ビーフシチューの美味しくなるための秘訣そのものです。
熱をじっくり均一に通すことで、ビーフシチューの肉が驚くほど柔らかく、とろけるような食感になります。
ご家庭でビーフシチューを美味しく作ろうとされている方には、ぜひ良い鍋を使ってみることをおすすめします。
ビーフシチューを極めるなら、この鍋がおすすめです
そこで、ご家庭で本格的なビーフシチューを作りたい方におすすめしたいのが、ストウブ 鍋 24cm ピコ・ココット ラウンド ボルドーです。
「ストウブ 鍋」は、多くのプロの料理人にも愛用されている、フランス製の鋳物ホーロー鍋です。 その重厚な作りと高い機能性は、煮込み料理の味わいを格段に引き上げてくれます。
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- 優れた熱伝導と蓄熱性: 均一に熱が伝わるため、食材の芯までじっくり火が通り、ビーフシチューの肉が驚くほど柔らかくなります。
- セルフ・ベイスティング・システム: 蓋の裏にある突起が水滴を均等に落とし、旨みと水分を食材に戻します。少ない水分でも、食材の濃厚な味わいを引き出します。
- 美しいデザイン: 落ち着いたボルドーの色合いは、そのまま食卓に出しても見栄えがします。ピコ・ココットの洗練されたデザインは、キッチンに置くだけで気分が上がります。
実際にこの「ストウブ 鍋」を購入された方々からのレビュー評価も非常に高く、その人気が品質の高さを物語っています。
料理は道具から、という言葉もありますが、まさにその通りです。 この鍋一つで、いつものビーフシチューが、お店のような本格的な味わいに生まれ変わるはずです。
良い素材と良い道具、そして何より料理をより美味しくしたいという情熱があれば、必ずやその料理は輝きを増します。
あのメールをくれたご主人のように、常に「もう一段階上」を目指す気持ちこそが、食の世界を豊かにしていくのだと、改めて感じました。