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売り込みNG!飲食店ブログ集客を成功させる冬の戦略

【脱・売り込み】冬に始める飲食店ブログ集客戦略
新規顧客を呼ぶ「資産化」コンテンツの作り方
師走の足音が聞こえ始め、身を切るような寒さが心まで冷やしていく、そんな冬の季節になりました。飲食店の経営者の皆様は、年の瀬に向けて集客に頭を悩ませる時期かもしれません。私たちもこの時期、どうすればお店に暖かな賑わいを呼び込めるかと、日々奮闘しています。
さて、今日は、その「集客」の要とも言えるお店のブログについて、根本的な見直しをご提案したいのです。
多くのお店がブログやメールマガジンで発信している内容を見て、時々、立ち止まって考えてしまうことがあります。
「ご来店ください。とても美味しいですよ。」
「本日限定!5時までのご入店で10%オフ!」
恥ずかしながら、私もかつては「売り込み」の言葉を並べた記事を量産していました。ですが、近年のマーケティングの潮流は、明らかにこの「売り込み偏重型」からシフトしています。
飽和した時代に響かない「売り込み」の言葉
現代は、デフレが叫ばれながらも、物があふれかえり、似たような商品やサービス、そして飲食店がひしめき合っている時代です。私たち消費者自身が、毎日、何十、何百という「おすすめ」や「お得な情報」に晒されています。
その結果、お客さんはもう「売り込み」に飽き飽きしているのではないでしょうか。
「そんなの、自分で選びますよ。」
おそらく、お客さんの心の中には、冷めた一言があるはずです。購読している企業のメルマガだって、毎回来る内容が「これを買え」「これがお得だ」という売り込みだけなら、指一本で簡単に購読解除ボタンを押してしまいますよね。私もそうですし、きっとあなたもそうではないでしょうか。

日記化するブログと「どうでもいい情報」
そして、もう一つ、成果が出せずに更新が止まってしまうブログの典型例があります。
それは、**「ホントの日記」**になってしまっているブログです。お店で起きた些細な出来事、休日のピクニックの様子、スタッフの個人的な趣味……。
芸能人のブログや、カリスマ性のあるオーナーのお店であれば、それは立派なファンサービスとなり得ます。例えば、美人ママさんが「銀座でショッピング」と書けば、ファンは喜んでその情報を追いかけるでしょう。彼女たちは、自身の「キャラ」という強烈なコンテンツで集客を成立させています。
しかし、残念ながら、多くの一般店のブログの場合、個人的な日記を読んで心から楽しんでくれるのは、せいぜいごく親しいご友人や身内の方々です。新規のお客さんから見れば、正直言って**「どうでもいい」**情報になってしまいがちです。
反応がないから、やる気を失い、ブログは自然消滅してしまう。これでは、せっかくの労力が水泡に帰してしまいます。
新規顧客を増やすための「資産化」ブログ戦略
私たちがブログで本当に獲得したいのは、**新規のお客さん**、そして2回目の来店に繋がるリピーターですよね。つまり、読んで「楽しい」だけのブログではなく、「来店に繋がる」ブログを目指さなければなりません。
そのために、ブログを**「半永久的な資産」**に変える二つの柱を確立しましょう。
柱1:読者にとって「有益な情報」を提供する
読者がインターネットで検索するのは、何らかの**悩みや疑問**を解決したい時です。あなたがお店のプロフェッショナルとして培ってきた知識こそ、ブログの最高のコンテンツになります。
例えば、もしあなたがこれからお店を始めようとする人に向けて書くとしたらどうでしょう?
- 資金調達(借金)をする際の注意点
- 失敗しない内装業者の選び方とチェックポイント
- 理想のコンセプトを定めるまでのプロセス
これらは一見、お店のメニューとは無関係に見えます。しかし、これから開業する人、あるいはすでに飲食店を経営している人にとっては、喉から手が出るほど知りたい「生きた情報」です。
あなたの経験と、それに基づく考え方だけで良いのです。それを惜しみなく提供してください。もし、その情報が読者にとって大いに役立ったとしたら、どうなるでしょうか?
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「実はブログを読んでいました!とても参考になりました。」
と、感謝と共に来店してくれる可能性は非常に高いはずです。あなたの経験は、ネット上に残り続けることで、次々と新しい読者を引き寄せる**永遠の資産**となるのです。
柱2:お店の「理念とコンセプト」に共鳴してもらう
売り込みをしないとは言っても、お店に来ていただく必要はあります。そこで大切なのが、商品の魅力ではなく、**お店の「思想」**を知ってもらうことです。
オープンまでの裏側、そして開店してからの日々を丁寧に綴る中で、看板料理がどのように生まれたのかを語ってみましょう。
- 「当店の看板料理『XX』が、3時間煮込むことをやめない理由」
- 「この新鮮な旬の素材を、なぜ地元の漁師さんから直接仕入れるのか」
- 「お客様が口にする前の、調理場での丁寧な仕上げの工程」
レシピを全て公開する必要はありません。言いたくない部分は言わなくて良いのです。言える部分、つまり「真実」の部分だけを正直に伝えることで、「へぇ、こんなに丁寧にやっているんだ」「この店には確固たる考えがあるんだな」と、共感と信頼が生まれます。
この**「知ってもらうための文章」**こそが、強力な集客ツールになります。
この考えに共感して来店してくれたお客さんは、割引目当ての一見客とは違い、お店を深く理解し、愛してくれる**「濃いお客さん」**になってくれます。
拡散力を活用する!動画と共感の連鎖そして、インターネットの最大の特徴である「拡散力」を忘れてはいけません。有益で、共感を呼ぶ記事や動画は、驚くほどの速さで広がります。特に現代、これから社会に出てくる世代は、**動画での情報収集とシェア**を極めて得意とする世代です。私たちが心を込めて作った「看板料理ができるまで」の動画は、もしお客さんが気に入ってくれたなら、どうなるでしょうか?
「この動画の料理、めちゃくちゃ美味そうじゃん。今度行かない?」
今の時代、お客さんは、興味を持った動画を友達のスマホにメールやLINEで送るのを何とも思いません。お客さん自身が、あなたのお店の魅力を伝える**営業マン**になってくれるのです。丁寧に仕上げている様子を動画や画像で正直に伝える。そうすれば、**「あの店、料理も丁寧だし、愛想もサービスも良かったな」**という総合的な評価に繋がり、お客さんはその感動をシェアしてくれるのです。(ちなみに、私たちが3年前にアップした、ある調理のコツに関する動画は、今でも国内外を問わず多くの方に見ていただいています。これが「資産」の力です。)
継続こそが最短ルート:冬の仕込みの重要性さて、ここまで読んでくださったあなたに、最も大切なことをお伝えしなければなりません。ブログを始めたからといって、**すぐに反応が出ることは絶対にありません**。インターネットの世界もブログも、地道な努力がすべてを決めます。反応が出る前に、ほとんどの人が「結果が出ない」と諦めてしまいます。しかし、これはブログを「貯金箱」だと思って、毎日、コツコツと小銭を貯めていく行為に似ています。この寒い冬の間に、誰も見ていないかもしれないと心が折れそうになる日も、有益な情報とお店の理念を真摯に伝え続けるのです。気がついた時には、あなたのブログには、良質な記事という「資産」が十分すぎるほど貯まっています。読者は徐々に増え、あなたの考えに共鳴する**リスト**が集まり始めます。そこからが、本当の集客戦略の**本番**です。万人に好かれる必要はありません。興味のない人は、次のサイトへ行くだけ。ありのままのあなたのお店を書いていけば、必ず、それに共鳴してくれる人が現れます。さあ、この冬の静かな時期こそ、あなたの経験を「資産」に変えるブログを始める、最高のタイミングではないでしょうか。
この冬、あなたが始めるべきこと
- **売り込み(「お待ちしております」)は最小限に。**
- **読者にとって有益な情報を提供する。**
- **お店の理念やコンセプトを正直に伝える。**
- **何よりも、毎日コツコツと継続する。**
あなたの「濃い」お客さんは、あなたからの情報発信を静かに待っています。
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